呪いアプリ 第2夜 / ホラー小説
公開日:
:
最終更新日:2015/02/15
ショート連載
前回【呪いアプリ1】
■呪われた友達の死から一夜
友達の死を聞いて一夜明けた。
私はというとあまり眠りにつくことが出来なかった。
それもそのはず、0時を過ぎ日付が変わったタイミングで呪いアプリから通知がきたからだ。
『あと6日だよ』
かわいいと思っていたドクロのマスコットも、この真っ黒にぽっかりと空いた目が恐ろしくなっていた。
「あと6日って……」
あと6日とあるがこれは何を意味するのだろう……。
これが呪いだとすると、私の命があと6日ってこと……?
「う、うう」
体験したことのない恐怖に出したことのない声が漏れる。
意識した声じゃなかった。
温かった部屋から急に寒い外に薄着で出てしまったときの声に似ている。
これからなにが起こるか想像も出来ない、という残酷な現実だけが私を待っていた。
■相談しよう。そうしよう
「呪いアプリ?」
未菜という友達にその存在について話した。
大学の友達にはとても言えなかった。それもそうだ、こんなことを言ってしまうと「友達の死をネタに面白がるマジキチ」というレッテルが貼られてしまう。
それだけでも充分ツライけど、きっとその疎外感めいた扱いはずっと続く、そう思ったんだ。
だから私は中高と同じ学校だった未菜にこの話を聞いてもらおうとした。
「ふぅん……それであんたの友達が死んだって言うのね。
こんなこと言うのもアレだけどさ、考えすぎじゃないの」
未菜は紅茶を飲みながら私にそういったけど、私にはそれが考えすぎなどとは思えなかった。
「そこまで言うんだったら……。なんかその友達が呪いアプリで死んだっていう確証があるの?」
私は首を横に振った。確証はないから。
でも、その時間死んでいたはずの友達からメッセージが来たことと、呪いアプリで呪いをかけられていた彼女が死んだということが、
私をどうしようもない不安に陥れる。
「なるほどねぇ。分かった、その6日後ってやつ? 私もあんたと一緒にいてあげるよ」
「え、いいの?!」
「いいよ。友達じゃん。けど、それでなにもなかったらそんな悪趣味なアプリはもうやめな」
「うん」
私はあまりの嬉しさにその場で大声を上げたくなるほどだった。
■あと4日
スマホの画面には『あと4日だよ』と表示されている。
大丈夫……私には未菜が居るから。未菜と一緒なら心強いし……。
眠りの浅い夜にうなされるけどこれももう少しの我慢ね。頑張ろう
私は自分に言い聞かすけど、私の口とは裏腹に下唇は震えていた。
「大丈夫……大丈夫」
大学に行くのが怖い。もしかしたら他の子たちも私を呪っているのかも……
大丈夫……きっとなにも起こらない……
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